ソロ用に使っているテントのショックコード交換にチャレンジしました。その模様を手順を追って解説します。
ショックコードを交換したテント
ポールのショックコードを交換したのは『Big Agnes(ビッグアグネス)』を代表する山岳用テント「Fly Creek HV UL1」です。
『Big Agnes』は北米で高いシェアを誇るブランド。軽量性と居住性を両立したテントを数多く展開し、日本でも登山者はもちろん、ソロキャンプやツーリングキャンプでも愛用者が多く、その中でもこの「Fly Creek HV UL1」はウルトラライトテントの中心的モデルといわれています。
こちらのテントは旧モデルとなっており、現在はカラーも一新した最新モデルが展開されています。
ポールのタイプ
テントに使われているポールのタイプは軽量自立式テントでよく使われている「DACポール」です。
DACとは?
また、吊り下げ式の軽量テントによくあるY字の継ぎ手がある一体型のポールになります。
よれよれになったショックコード
そんな「DACポール」ですが、ある日テントを設営しようとしたところ、ショックコードが擦り切れそうな箇所を発見。
他にも何箇所かあり良く見ると全体的にコードがよれよれになっていました。
このままだとコードが擦り切れてしまう恐れがあり。これは早急に対処せねばとショックコードの交換を試みました。
ショックコードの交換方法
ではここからはショックコードの交換方法をご紹介します。
用意するもの
ショックコードの交換で必要なものは主に以下です。
- テープ
- ペン
- ペンチ
- 洗濯バサミ
- 交換用ショックコード
- ハサミ
- ライター
おすすめの交換用ショックコード
交換用のショックコードはさまざまなメーカーから販売されていて大抵のものが合います。
個人的におすすめなのはLOGOSから出ているこのショックコードです。
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各部位の名称
ショックコード交換の解説前にイメージしやすいようポール各部位の名称もご説明します。
こちらは正式名称ではないですが便宜上、テントの前室部にかかるポールを「前方部ポール」、後室部にかかるポールを「後方部ポール」。
「前方部ポール」の2股はそれぞれ「左のポール」「右のポール」とします。
ポール先端の留め金は正式には「エンドチップ」といいます。
こちらは前述しましたが「Y字の継ぎ手」そしてその中のエンンドチップを便宜上「Y字の継ぎ手のエンドチップ」とします。
以上の名称を元に交換手順を解説していきます。
交換の手順
ここからは実際のショックコードの交換手順を解説します。
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1前方部ポールから交換
まずは一つのコードで繋がっている前方部ポールの2股ポールから交換していきます。
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2ポールに番号をふる
手始めに前方部ポールへ、ジョイントで別れる各ポール一つ一つにテープとペンで番号をふっていきます。
番号の付ける順番は任意です。この時は前方部左のポールから1番ずつ順番に番号をふりました。
こうすることでポールが仮にバラバラになってしまっても元どおりに同じ順番で繋げることができます。
ポールはバラバラにせずとも交換は可能ですが念のための処置になります。
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3エンドチップ(留め金)を外す
次にペンチでポールの先端にあるエンドチップ(留め金)を外します。
2股ある前方部ポールは左右どちらから初めてもいいですがこの時は左のポール(1番のポール)からはずしました。
エンドチップは左に回すと簡単に外れます。
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4エンドチップからコードをほどく
エンドチップをポールから外したらコードを引っ張り洗濯バサミで止めます。
こうすることでコードが引き戻されずエンドチップとコードの結び目がほどきやすくなります。
エンドチップに結んであるコードをほどきます。
エンドチップは大抵八の字に結んでありますが、念のため結び方を間違えないよう写真にとっておくとよいです。
ほどいたエンドチップは無くさないように注意してください。
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5ポールからコードを抜く
洗濯バサミを外すとコードが引っ張られます。
そのままポールからコードを抜きます。
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6反対の右のポールからもコードを抜く
反対の右のポールも同じようにエンドチップを外し。
そのままコードを引き抜きます。
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7古いショックコードを元に新しいショックコードの長さを測る
抜いた古いコードに合わせて。
交換する新しいコードの長さを測ります。
古いコードより気持ち長めに長さを取ります。
長く取ったほうが後々調整しやすいのです。
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8Y字の繋ぎ手から後方部ポールのエンドチップを外しておく
前方部ポールに新しいコードを通す前のこのタイミングでY字の継ぎ手から後方部ポールのエンドチップを外しておきます。
Y字の継ぎ手にあるエンドチップは前方部のコードがないほうが外しやすいからです。これが前方部から先に始めた理由です。
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9新しいショックコードを通す
1番のポールに新しいコードを通します。
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10新しいショックコードの先端をライターで炙る
新しいコードをエンドチップに結ぶ前にコードの先端をライターで軽く炙ります。
ライターで炙ることでコードの繊維がほどけなくなります。
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11新しいショックコードにエンドチップを結ぶ
新しいコードにエンドチップを結びます。
結び目は古いコードと同じく八の字に結びます。
コードをポールに押し入れエンドチップをポールに取り付けます。
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12新しいショックコードを他のポールにも通していく
新しいコードを他のポールにも通していき、Y字の継ぎ手にも通して
右のポール最後まで通します。
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13右のポールにも同じようにエンドチップをつける
通したコードがピンと張るように引っ張った状態で洗濯バサミを止めます。
ピンと張ることでポールを折りたたむ際にコードが伸縮できるようにします。
もしコードがゆるい場合はコードをさらに引っ張るなどして調整してみてください。必要あらばコードを切って短くしてもOKです。逆に長く延長はできないのでこれが余分にコードの長さを取った理由です。
あとは左と同じ要領で
エンドチップを付けます。
これで前方部ポールのショックコード交換は完了です。
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14後方部ポールにも番号をふる
続いて後方部ポールも前方部と同じように番号をふります。
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15Y字の継ぎ手からエンドチップを外す
Y字の継ぎ手から後方部ポールのエンドチップを外します。
反対側の後方部ポールのエンドチップも外します。
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16Y字の継ぎ手のエンドチップに新しいショックコードをつける
外したY字の継ぎ手のエンドチップに新しいコードをつけます。
コードの長さは前方部ポールの測り方と同じです。また、これまでと同じようにライターで先端を炙ります。
これまでと同じく八の字に結びます。
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17後方部ポールに新しいショックコードを通す
エンドチップに結んだコードをポールに通していきます。
最後まで通します。
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18最後のポールにエンドチップをつけて完了
最後のポールにこれまでと同じ要領でエンドチップを付けて
最後に番号のテープを外して交換完了です。
新しくなったショックコード
これでショックコードが新しくなりました。
以上が山岳用ソロテントのショックコードの交換方法になります。
交換後設営も問題なし
後日、ソロキャンプで交換したテントを使ったところ問題なく設営できました。
手順は多いですが思った以上に簡単で2時間ほどで作業は完了しました。この記事がポールのショックジョード交換にチャレンジしたい方の参考になれば幸いです!