冬キャンプの暖房器具として活躍するカリフォルニアパティオ「C」。販売終了した今もおしゃれなフォルムで人気のこのカセットガスヒーターの特徴や使用感を冬キャンプで試してみた模様と合わせてご紹介します。
ガスヒーターを使う場合、テント内など完全に密閉された空間では一酸化炭素中毒の危険あるので注意してください。キャンプでの利用はあくまで自己責任となります。
カリフォルニアパティオ「カセットガスヒーター」とは?
アメリカンなデザインが人気な屋外専用アウトドアヒーターです。コンビニなどでも買えるカセットボンベ(CB缶)を燃料とするため手軽に使えるのが魅力です。
スペック情報
ブランド | California Patio (カリフォルニアパティオ) |
商品名 | カセットガスヒーター |
価格 | ¥6,351 |
発熱量 | 1.1kW (950kcal/h) |
連続燃焼時間 | 約3時間 |
総重量 | 2.4 kg |
外形(幅×高さ×奥行) | 280 mm x 230 mm x 210 mm |
すでに販売終了した廃盤商品
実はカリフォルニアパティオの「カセットガスヒーター」はすでに販売終了してしまった廃盤商品です(2020年1月時点)。
屋外専用カセットガスヒーター製造販売終了のお知らせ - 2020年1月25日(公式サイト)
なぜ販売終了になったのか?
キャンプブームにより屋外用ストーブ(屋外式カートリッジガスストーブ)のニーズが増加したことから、経済産業省が液化石油ガスへの法律を整備したことが背景にあるようです。 2021年6月1日以降に「屋外式カートリッジガスストーブ」を販売するためには一定の技術基準を満たした「PSLPGマーク」が必須となり、これまで流通していた「PSLPGマーク」のないものは販売が禁止となってしまった模様。ユニフレームから販売されていたカセットガス式ヒーターなども同時期に販売が終了していることから国内メーカーのほとんどが一斉に販売終了したようです。
カリフォルニアパティオルはメルカリなどでは販売されていますが、いずれも高額なものばかり。アウトドア専用ではないようですがイワタニから正規に流通している製品があるので個人的にはこちらがおすすめです。
カリフォルニアパティオの特徴
ガスを気化させ熱を発するタイプの燃料は低温時に気化しずらいという弱点があります。ですので一般的な「カセットガスヒーター」は低温時に暖まりにくいことがあるようです。
しかしこのヒーターには低温時の対策として2つの機能が搭載されています。
ジェネレーター機能
点火した後、バーナーの熱によってガスのパイプを暖める機能です。ガスを暖めた状態で燃焼部へ送ることができるので、最大限気化した状態で燃焼することができます。
ヒートパネル機能
ヒーターを利用中にボンベ本体が冷たくなるのを防ぐ機能です。カセットボンベを包んでいる鉄板(パネル)へ燃焼部からの熱が伝わることで、ボンベ設定部を暖め低温を防ぎます。
カリフォルニアパティオ「カセットガスヒーター」のレビュー
では実際に商品をレビューしていきます。
開封
箱に包装された状態です。
中を開けると本体がお目見え。
カラーはレッドです。
説明書は特になく背面に注意事項や操作手順が記載されています。
燃料をセット
まずは「カセットボンベロック」がオフになっていること、「ガス調整チャンネル」が閉じていることを確認します。
次に背面の「ボンベ装着口カバー」を開けカセットボンベ(CB缶)をセットします。
ボンベはオーソドックスなメーカー「イワタニ」です。
セット方法は簡単でボンベのキャップを外し、「ボンベ装着口」のガスバブルの凸とボンベの凹を合わせる形でセット。
あとは「カセットボンベロック」をオンにしてボンベを固定してカバーを閉じるだけです。
点火
点火はカセットボンベをセットしたあと「ガス調整チャンネル」を左に回して
カッチと音がして点火装置をスパークさせて点火します。
火力の強弱はガス調整チャンネルでコントロールできます。
点火しない時の改善方法
実はこのヒーター、たまに点火しづらいことがあります。その場合は何度かチャンネルを回すのを繰り返すと点火するのですが、それでも着火しない場合は以下を試してみてください。
ゆっくり回す
「ガス調整チャンネル」をゆっくりまわしてある程度ガスを出してからスパークさせると着火しやすいです。
ガスを出しすぎると点火時にガスが燃え広がってしまうので、ガスを出しすぎないよう注意してください。
点火針を押す
どうしても点火しない場合は「点火針」を白い板の方にマイナスドライバー等で押して近づけると、着火しやすくなるようです。
冬キャンプで実際に使ってみた
実際に冬キャンプで使えるかどうか試してみました。時期は12月下旬、場所は千葉県のキャンプ場です。
完全に密閉された空間でガスヒーターを使うと一酸化炭素中毒の危険あるので注意してください。キャンプでのガスヒーター利用は自己責任となります。この記事の情報を用いて行う一切の行為、被った損害・損失に対してはカリフォルニアパティオさんを含め当サイトは一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
キャンプスタイルはソロ用テントとタープによるソロキャンプスタイル。
この日は日中は暖かく「14.6℃」もありました。
しかし日も暮れ夜になると気温が下がり22時くらいには「-0.6℃」と氷点下を下回りました。
そこでヒーターの登場です。
早速、点火しようとしたところ。着かない。。前述した点火しない場合の改善法(ゆっくり回す)を試しても点火せず。
実はヒーターやCB缶が冷えてしまうと点火時の温度が低くなりすぎて着かない場合があるようです。
このまま点火できなかったらどうしようと思いつつ、ライターで点火してみたところ。。
ちゃんと着きました!
点火直後の体感としては足元や手を近づけるとしっかり暖かさは感じますが体全体は暖かさは感じない程度でした。
では気温の変化を見てみると。10分ほどで氷点下から「6.4℃」まで上昇。
さらに20分ほど経ったら「8.9℃」まで上昇していました。一度点火してしまえば前述した低温対策の機能で燃焼部の温度は下がらず、ヒーターの近くは気温が上昇しているようです。
では少し離れたところではどうかというと。「7.4℃」と多少下がるもののそれほど気温は下がらず。
ではさらに離れたタープの外の気温はというと。
「0.8℃」と氷点下に近い気温でした。
試してみた所感
気温計からも分かる通りヒーターを着けたあとは氷点下から約8℃まで気温が上昇したため体感としては寒さが全然違いました。
とはいえ気温8℃では体感としては本来寒いのは変わらずなので、問題なく過ごせたのはヒートテックやダウン、カイロなどの防寒装備も合わせていたからだと思います。ですのでカセットガスヒーター1つだけの冬キャンプでは防寒着の対策も必須となりそうです
実はこういったカセットガスヒーター1つだけでは冬キャンプの暖房としては足りないというのが一般的な見解なようです。
もしカセットガスヒーター1つだけ使う場合はせめてテントの幕内(必ず換気された状態で)に置いてなるべく熱が逃げないよう工夫する必要があります。
今回の冬キャンプではリビングとしてタープを張っていたので暖かい空気がとどまり気温が上昇したのかもしれません。
いずれにせよカセットガス1つを暖房器具とする冬キャンプでは暖かい空気をとどまらせる工夫が必要になりそうです。
暖房効果をあげるため幕内でガスヒーターを使う場合は完全に密閉された空間にならないよう空気の通り道を開けて十分換気しましょう。何度も言いますが完全に密閉された空間でガスヒーターを使うと一酸化炭素中毒の危険あるので注意してください。
専用の収納ケースもあり
同じく廃盤となっていますがカリフォルニアパティオ「カセットガスヒーター」には専用の収納ケースもあります。
ケース内部は本体にジャストフィット。外付けのショルダーベルトも付いています。
しかもサイドにはこのように3つのポシェットが付いており。
燃料であるCB缶を三つ携帯することができます。
収納ケースがない時は車への積載の際に持ち運びづらかったのですが、燃料と一緒に肩がけして運べるようになってとても楽になりました。ただ、このケースにはクッション性がないので重いもの載せたりすると中のヒーターが故障するかもしれません。このケースにヒーターを収納した際は、その上にあまり重たいものは載せいないよう注意してください。
最後に
以上がカリフォルニアパティオ「カセットガスヒーター」のご紹介になります。
既に廃盤した商品のため入手しずらい状況ですが、他社のカセットガスヒーター購入の際の参考にもなるかと思います。
この記事が何かの参考になれば幸いです!